低温工学協会九州・西日本支部主催
第1回超電導ワークショップ実施報告



九州・西日本支部では発足以来4年目を迎えるにあたり、新たな試み
として、現在進展の著しい酸化物超電導材料の開発とその周辺技術に
焦点をあて、ワークショップを開催した。現在国内の主要プロジェク
トの中で中心的役割を担っておられる、第一線の講師陣をお招きし、
1) ナノテクを駆使した超電導材料の高度化、2) 超電導の省エネルギー、
高効率性を生かした運輸、環境、エネルギー分野を核とする超電導パ
ワー応用、さらに3) 超電導応用の基盤となる低温発生技術の進展と
将来展望について、水素の冷媒利用の可能性も含め、総合的な議論を
行った。一般講演も募集し、合計32件(口頭発表19件、ポスター
発表13件)の熱のこもった講演が2日間にわたり展開された。九州
各県はもとより、全国の大学や研究機関、企業より合計51名の参加
が得られた。参加者の内訳は、企業・大学等の研究者33名、学生18
名である。ワークショップでの講演内容は資料集として発行し、参
加者に配布した。本資料集は大変好評であり、学術的に重要であるば
かりでなく、実用上も貴重な資料として今後の活用が見込まれる。印
刷費等の捻出のため、講演資料集には広告掲載を募集し、収支のバラ
ンスに努力した。ワークショップ当日は、会場において支部の維持会
員各社のパンフレットを各社のご希望に応じて配布させて頂くなど、
維持会員の広報の場を提供すべく心がけた。また、ワークショップの
合間を利用して、琉球大学極低温センターの施設見学、ならびに松下
照男支部長らによる沖縄電力(株)訪問の機会を得、支部の紹介なら
びに超電導技術の電力利用に関する意見交換を行った。

夏の沖縄の地で、リラックスした雰囲気の中、国際会議にひけをとら
ぬ最新のデータが報告され、中身の濃い議論が行われた。こぢんまり
とした会議の規模、Discussionにたっぷりと時間をとるワークショッ
プのスタイルも参加者に好評であったようだ。会場の沖縄コンベンショ
ンセンターは、施設も大変立派で、スムースな運営に資すること大で
あった。

以上、初めての試みに付き、いろいろととまどう点もあったが、概ね
好評の内に終えることができた。会期中に行われた支部の役員会では、
2年に一回程度の割合で同様のワークショップを開催していく方針が
示された。早くも次の候補地の案が出ているようであるが、本ワーク
ショップが今後の支部活動の活性化につながることを祈りつつ、第1
回超電導ワークショップの報告としたい。


記念撮影



Last modified: Fri Aug 26 17:32:37 JST 2005