2005年度 第2回研究会 第3回 材料研究会/九州・西日本支部 合同研究会
案内
今回は超電導線材の特性評価技術として、交流損失、線材内部の電流分布、線材の特性を視覚化する評価技術とそれらの基礎となる冷媒の特性を併せて取り上げました。超電導材料や線材の研究を行っている大学院生や若手研究者をはじめ、超電導機器の設計に携わるエンジニアの方々には線材の特性や特徴を設計に反映させるための情報収集の場となるよう企画しました。
なお、会場は宿泊の利便性を考慮して湯田温泉の山口勤労者総合福祉センターにしました。
テーマ:超電導線材の特性評価技術とその進展
日 時:2006年1月27日(金) 13:30〜17:30
場 所:山口勤労者総合福祉センター(サンフレッシュ山口)1F 視聴覚室
〒753-0056 山口市湯田温泉5-5-22 TEL:083-933-0001
参加費(資料代):2,000円(どなたでも自由に参加できます)
プログラム
開会の挨拶 松下照男(九州・西日本支部長) 13:30〜13:35
1. 冷却技術と冷媒の特性 山下直彦(日本エア・リキード) 13:35〜14:20
2. 超電導線材の交流損失測定法標準化の現状 船木和夫(九州大) 14:20〜15:05
3. 高温超電導線材内の電流分布測定法 川畑秋馬(鹿児島大) 15:05〜15:50
休憩 15:50〜16:00
4. MO磁束観察法による超電導線材の特性評価 町 敬人(超電導工研) 16:00〜16:45
5. RE系次世代高温超電導線材の局所特性評価技術 木須隆暢(九州大) 16:45〜17:30
閉会
懇親会:19時より懇親会(会費10,000円)を行います。また、懇親会会場の「KKRあさくら」への宿泊(朝食付)は、16,000円(懇親会費を含む)です。確保している部屋数に限りがありますので、下記までお早めにご連絡ください。
オーガナイザー:原田直幸(山口大), 住吉文夫(鹿児島大), 岩熊成卓(九大)
問い合わせ先:山口大学工学部電気電子工学科 原田直幸
TEL:0836-85-9476 FAX:0836-85-9401 E-mail:naoyuki@yamaguchi-u.ac.jp
当日の様子
参加者は大学院生をはじめとして21名でした。
最初に、山下直彦氏(日本エア・リキード)から最近話題となっている
液体水素の特性や利用例を紹介があり、これまでの超電導体の計測評価に
用いてきた液体ヘリウムや液体窒素について、各々の特性や冷却技術
についてまとまった講演がありました。
次に船木和夫氏(九州大)よりIEC(国際電気標準会議)/TC90における超
電導線材の特性評価測定法の標準化活動、ピックアップコイル法によ
る交流損失測定標準化の足取り、全交流損失測定法の標準化に向けて
の取り組みなどについて紹介がありました。
続いて川畑秋馬氏(鹿児島大)からは、HTSコイルの交流損失を解明す
る上で重要となる巻線内の電流分布特性をピックアップコイルで測定
する方法についての講演が行われました。
後半は、線材の特性を視覚化する評価技術として、2件の講演が行わ
れました。町敬人氏(超電導工研)が、RE123系線材を非破壊で評価す
る方法として期待されているMOI(Magneto-Optical Imaging)法の原理
とその特長についまとめて講演されました。
最後に、木須隆暢氏(九州大)から低温レーザ顕微鏡を用いた局所電界
計測、レーザ誘起熱電効果を用いたHTS結晶粒の可視化法、走査
SQUID顕微鏡による局所電流の計測、YBCO/IBAD線材の電流制限機構に
関して得られた知見についての講演が行われました。
今回は維持会員のジャパン・エア・ガシズ(株)の紹介で山下氏による
講演が実現し、ひじょうに興味深い講演をしていただき、大変好評でした。
あらためて関係各位に感謝申し上げます。
Last modified: Wed Feb 15 11:30:28 JST 2006