フクオカサイエンスマンス2008
平成20年11月1日と11月2日に低温工学協会九州・西日本支部と応用
物理学会九州支部は共催でサイエンスマンス2008 in アクロス「み
んなで楽しむ巨大科学実験室」に出展をしました。福岡県は11月を
フクオカサイエンスマンス(科学技術創造月間)と位置づけ、「み
んなで育てよう科学の芽」を標語にさまざまなイベントをおこなっ
ています。1日と2日はそのメインイベントとして福岡市の繁華街天
神にあるアクロスで「みんなで楽しむ巨大科学実験室」が開催され
ました。各種団体がさまざまな体験ブースを展示し、主催者発表で
合計1万1千人の入場があったそうです。支部では、九州大学と九州
工業大学が協力して主に超電導技術による浮上実験を行いました。
新日鐵製のQMG超電導体を冷却し、その上で永久磁石を浮上させ、
80kg程度の大人まで浮上させます。子どもたちはくるくると回るこ
ともでき、その不思議な感覚を楽しんでいました。またそれを小さ
くして原理を説明する展示も行いました。子どもたちが、実際に重
い永久磁石を冷却した超電導体の上に載せると、そのまま安定して
浮上する様子にひじょうに驚いた様子でした。さらに住友電工製の
Bi-2223コイル二つによる浮上実験では、片方に単三電池6本を並列
につなぎ、次々と電流を増やすと、もう片方の閉じたループになっ
ているコイルは浮上を始め、高さがどんどん高くなっていく実験を
展示しました。この浮上の力もかなり強く「超電導とちから比べ」
と題して、子どもたちに楽しんでいただきました。
だいたいは浮上する様子を見て楽しんでいましたが、一人の子ども
は永久磁石の場合と異なって磁石が宙に浮いて止まる理由について
自分の考えを示し、説明者を驚かしていました。よくよく聞くと昨
年ドイツから帰国した帰国子女の小学生だそうです。ヨーロッパに
おける理科教育のすばらしさに改めて感心し、日本における理科教
育も知識偏重でなく、なぜと問いかけられるような教育にしていか
なければならないという感想を持ちました。(九州工業大学 小田部)
人間浮上
超電導とちから比べ
Last modified: Thu Nov 6 17:34:57 JST 2008