2012年度低温工学 九州・西日本支部研究会/第4回材料研究会のご案内
超電導発見から一世紀が経過し、今後の展開を考えるためには、
まずは現状把握が必要と思われます。九州・西日本支部と材料研究
会では、日本のみならず、米韓からも第一線で活躍されている研究
者をお招きし、世界の最新動向を聞くことができる研究会を下記の
要領で開催致します。早春の福岡は、風はまだ冷たいながらも麗ら
かな陽気の中で芽吹く山海の旬を味わえる時節となります。奮って
ご参加下さい。
テーマ:超電導開発の現状と展望
日 時:2013年3月15日(金) 10:00〜16:25
場 所:〒819-0395 福岡市西区元岡744 九州大学伊都キャンパス内 稲盛ホール
交通案内:九州大学キャンパス・交通案内をご覧ください。
参加費(資料代):2,000円(どなたでも自由に参加できます)
主 催:(公財)低温工学・超電導学会 九州・西日本支部/材料部会
共 催:九州大学 超伝導システム科学研究センター
プログラム
開会の挨拶 前田 敏彦 氏 (材料研究会委員長) 10:00〜10:05
1.日本における超電導技術開発の現状と展望 塩原 融 氏 (ISTEC) 10:05〜10:35
2.Recent development and future prospects of coated conductors in the US
Prof. Venkat Selvamanickam (Univ. of Houston) 10:35〜11:05
3.韓国における超電導技術開発の現状と展望
Prof. Minwon Park(韓国・チャンゴン大学) 11:05〜11:35
4.核融合炉超電導システムの現状と展望 三戸 利行 氏 (核融合科学研究機構) 11:35〜12:05
昼 休 み 75分
5.Y系超電導線材開発の現状と展望 和泉 輝郎 氏 (ISTEC) 13:20〜13:40
6.超電導ケーブル開発の現状と展望 大松 一也 氏 (住友電工) 13:40〜14:00
7.超電導変圧器開発の現状と展望 富岡 章 氏 (富士電機) 14:00〜14:20
8.Y系伝導冷却超電導マグネットの現状と展望 宮崎 寛史 氏 (東芝) 14:20〜14:40
9.MgB2超電導マグネットの現状と展望 田中 秀樹 氏 (日立) 14:40〜15:00
休 憩 10分
10.Bi系超電導マグネットの現状と展望 林 敏広 氏 (住友電工) 15:10〜15:30
11.ナノ組織技術を用いたREBa2Cu3Oy超伝導薄膜の高性能化
吉田 隆 氏 (名古屋大学) 15:30〜15:50
12.日本における強磁場コラボラトリ計画 淡路 智 氏 (東北大学) 15:50〜16:20
閉会の挨拶 円福 敬二 氏 (九州西日本支部長) 16:20〜16:25
オーガナイザー:岩熊 成卓、木須隆暢 (九州大学)
主 催:低温工学・超電導学会 材料研究会、九州・西日本支部
問い合わせ先: 九州大学システム情報科学研究院 岩熊 成卓
TEL:092-802-3831 iwakuma(at)sc.kyushu-u.ac.jp
当日の報告
2012年度九州・西日本支部/第4回材料研究会合同研究会「超電
導開発の現状と展望」が、低温工学・超電導学会九州・西日本支部、
同材料研究会、九州大学超伝導システム科学研究センターの共催に
より、2012年3月15日に九州大学伊都キャンパス稲盛財団記念館にお
いて開催された。講師12名を含む55名の参加者があった。
午前は、日米韓から講師をお招きし、「REBCO線材および超電導技
術開発の現状と展望」と題して、ご講演いただいた。国内について
はISTECの塩原融氏より、米国についてはUniversity of Houstonの
Prof. Venkat Selvamanickamより、韓国についてはChangwon
UniversityのProf. Minwon Parkより、各国の最新動向が紹介された。
各国ともに、REBCO線材開発とともにこの機器応用、さらにこれを用
いて風力・太陽光等再生可能エネルギーを取り入れた超電導電力機
器・系統の開発が進められようとしている状況が詳細に説明された。
午前の最後に、「核融合炉超電導システムの現状と展望」と題し
て、核融合科学研究所の三戸利行氏より、震災による原発事故も踏
まえ、エネルギー源としての核融合炉の位置づけと技術動向が紹介
された。
午後は、まず、ISTECの和泉輝郎氏より「Y系超電導線材開発の現
状と展望」、住友電工の大松一也氏より「超電導ケーブル開発の現
状と展望」、富士電機の富岡章氏より「超電導変圧器開発の現状と
展望」と題して、平成25年度で終了したNEDO「Y系超電導電力機
器技術開発」プロジェクトでの研究成果を中心とした超電導線材・
ケーブル・変圧器の技術動向が紹介された。次に、東芝の宮崎寛史
氏よりREBCO線材を用いた伝導冷却超電導マグネットの開発動向、日
立製作所の田中秀樹氏よりMgB2線材とこれを用いた超電導マグネッ
トの開発動向、住友電工の林敏広氏よりBi2223線材とこれを用いた
超電導マグネットの開発動向について、今後の展望も併せてご紹介
いただいた。さらに、名古屋大学の吉田隆氏より「ナノ組織技術を
用いたREBa2Cu3Oy超伝導薄膜の高性能化」と題して、REBCOテープ線
材の材料学的見地からの今後の特性向上について解説いただき、最
後に、東北大学の淡路智氏より「日本における強磁場コラボラトリ
計画」と題して、東北大学が物質材料研究機構等と共同で進められ
ている日本の強磁場研究施設の整備計画を中心に、国内強磁場研究
の現状と展望についてご紹介いただいた。